2021-11-26 農学部生物生産学科 天竺桂弘子研究室「コクヌストモドキ」
ここは、農工大 #農学部 #生物生産学科 天竺桂弘子教授の研究室。
博士課程の学生さんが顕微鏡をのぞきながら、作業しているワン。
何をしているのか聞いてみると、なんと昆虫用の注射針を作っているそうだワン!
小さな昆虫に刺せる極細の注射針は、細いガラス管を熱でさらに細~く伸ばしたものを、顕微鏡で見ながら少しずつ研いで作っているワン。
この手法は、こちらの学生さんが、海外の専門家のところに留学して覚えてきたそうだワン。
顕微鏡をのぞきながらの繊細な作業は、まさに職人技!
かっこいいワン!
まだ開拓が進んでいない分野だと、実験道具も市販されていないので、目的に合うものを手作りする必要があるワン。
先端的な研究には、こんな苦労もあるんだワン。
?
この注射針は「コクヌストモドキ」という甲虫を使った研究に使っているワン。
コクヌストモドキは、小麦の貯穀害虫。
幼虫は7mmくらい、成虫は4mmくらいの小さな虫さんだワン。
育てやすく、2008年に全ゲノム情報が解読されたので、研究でよく使われるモデル生物の1種だワン。
写真2枚目の恒温器(インキュベータ)で、温度と湿度、それから明るさを管理して飼育しているワン。
この研究では、「RNA干渉」という手法で、コクヌストモドキの特定の遺伝子の発現を抑制して、表現型を見ることで、その遺伝子がどんな働きをしているか調べているワン。
コクヌストモドキはRNA干渉の効果が得られやすいんだワン。
写真3枚目?4枚目は、コクヌストモドキの血液に含まれるタンパク質を調べている様子。
電気泳動で分離してから、目的のタンパク質に目印をつけて観察するワン。
ちなみに、電気泳動に使うゲルも手作りしているそうだワン。
この研究の目的は、哺乳類にはない昆虫特有の遺伝子の働きを調べること。
昆虫の遺伝子の機能は、まだわかっていないものも多く、解明できれば、教科書に載るような成果になるワン。
がんばってほしいワン!
写真5枚目のハッケンの前のシャーレにいるのがコクヌストモドキの成虫、コウケンの前のシャーレのものは蛹、手前の大きなシャーレには、蛹と幼虫がいるワン。
こんな小さな虫さんに注射するなんて、大変な作業だワン。
写真6枚目が、コクヌストモドキの成虫の拡大写真。
こうやって見ると、カブトムシなどの甲虫の仲間だということがよくわかるワン。
注射をするときは、顕微鏡で見ながら、この小さな羽を持ち上げて、その下に注射するそうだワン。
天竺桂先生の研究室では、不思議がいっぱいの昆虫の機能を、人の役に立つものに応用する色々な研究をしているワン。
来週は、昆虫の代謝機能を使って、薬の素を作る研究を紹介するワン!
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